痔の中でも最も多い病気で、できる部位により外痔核と内痔核に分類されます。
右の図は通常の肛門の図です。

外痔核の1つである血柱性外痔核は肛門付近の皮下の内出血や血栓(血のかたまり)を形成することによって発生します。便秘で力んだり、重いものを持ったりして急に腹圧をかけることによっておこることが多く、内痔核と違いかなり痛みがあります。
入浴によって肛門部を温めて血行を良くし、排便の調整や座薬、軟膏などの外用薬、消炎剤の内服などを行うと、数日で急性症状はとれます。特に痛みが強い時は、簡単な外来手術で痛みをとることができます。
通常肛門は、便やガスが無意識のうちに漏れたりしないように、括約筋という筋肉で閉じられています。しかしこれだけでは不十分なため、肛門の出口から数㎝入ったところに、クッション(粘膜部分)と呼ばれる柔らかい盛り上がり(血管の集まり)があり、これによって括約筋が強い力で収縮しなくても便がもれないような仕組みになっています。このクッションは、ちょうど水道の蛇口についているゴム栓のような役割をはたしています。
内痔核とは、度重なる排便時のいきみなどによりこのクッションが腫れて、本来あるべき位置からズレ落ちた状態になったもののことをいいます。また、このクッションが肛門の外まで出てくるような状態になったものを脱肛といいます。 その程度により右のように分類されています。
当院では術後の疼痛緩和、入院期間の短縮を目的として、できるだけ不要な切除は加えない方針で治療を行っています。その代表となる治療法がALTA注射療法です。ALTAは、もともと中国で行われていた消痔霊という注射療法を日本で改良したもので、2005年に保険適応となり注目されている方法です。ALTAという注射薬を内痔核に直接注射することによって痔核を縮小させ、本来あるべき位置に吊り上げる方法です。メスを入れないため治療後の痛みが少なく入院期間も短期間で済みますが、全ての痔核に効果があるわけではなく、適応を厳密に選択しなければ再発することがあります。
通常肛門は、便やガスが無意識のうちに漏れたりしないように、肛門活約筋で閉じられています。しかしこれだけでは不十分で、肛門の出口から数㎝入ったところの直腸粘膜部分にクッションと呼ばれる柔らかい盛り上がり(血管の豊富な結合織の塊まり)があり、これによって括約筋が強い力で収縮しなくても便が漏れないような仕組みになっています。このクッションは、ちょうど水道の蛇口についているゴム栓のような役割を果たしています。
内痔核とは、度重なる排便時のいきみなどによりこのクッションが腫れたり、本来あるべき位置から外側にズレ落ちた状態(スライディング)になったもののことをいいます。また、このクッションが肛門上皮・肛門部皮膚を伴って肛門の外まで出てくるような状態になったものを脱肛といいます。
このような事から、当院では皮膚および肛門上皮の脱出を伴う内痔核に対しての手術方法としてズレ落ちた皮膚・肛門上皮・クッションをそれぞれ括約筋から剥離し、本来あるべき位置と思われるところにもどして括約筋に固定するという手術法を行っております。(肛門形成術)このとき奥の方に戻した腫れた内痔核に対して縫合糸を数針かけることにより萎縮させてましたが、現在はジオン注入によってより効果的に萎縮硬化させる事ができるようになりました。
この方の手術もそのように行いました。このような手術方法により、術後の疼痛を軽減でき、また術後大量出血の可能性も少ないために、入院期間が大幅に短縮できるようになりました。当院では年間2,000例を超える内痔核の手術を行っています。
ALTA注射のみでは改善しないような大きな痔核に対しては、必要に応じて形成術を併用して(形成術とALTAの併用療法)、できるだけ肛門に優しく、痛みの少ない治療法を選択しています。